top of page

専攻医奮闘記

後期専攻医
木村洋輝
(高知医科大学卒)

私は京都府立医科大学附属病院で生まれ(と聞いております)、出町で幼少期を過ごし、一度は京都を離れましたが、初期研修を京都府立医科大学附属病院で行い、本年度よりリハビリテーション科に入局させていただきました。
最初、私が入局した時は同年代の専攻医は産休中で、新人は私だけでした。覚えることはたくさん、わからないこともたくさん、出来ないこともたくさんと右も左もわからないことだらけで意気消沈することも多々ありました。それでもなんとか喰らいつけて来られたのは指導医の先生方、専門医、専攻医の先輩方、療法士の皆様に丁寧にご指導いただけたからです。この10か月は目まぐるしく過ぎ、あっという間でしたが、4月の自分と比べてある程度は成長したのかなと自
負しております。リハビリテーション科でいろいろな患者さんと出会う中で、印象深いことは多々あります。特に問題に直面したことが多く記憶に残りますが、直面している最中は煩わしさを感じるようなことも、振り返ってみれば自分の至らなさや、視野の狭さ、考えの浅さなどが浮き彫りになってくることが多いです。医学的なことだけではなく、人間的にも勉強させられることは多く、患者に教えられるということはこういうことかと実感する限りです。
また医局という組織の中で動き、いろいろな役割を与えられることは自分にとって貴重な経験になっていると感じます。とはいっても上の先生方につきながら細々とした雑用を行う程度ですが、対応力や振る舞い方などに、学ばされることは多分にあります。
これからも一人前のリハビリテーション科医になるべく日々邁進していくつもりですので、よろしくお願いいたします。

木村.jpg
木村2.jpg
木村2022

後期専攻医
水谷純子
(滋賀医科大学卒)

ゴールデンウィークが終わったばかりの2021年5月、産休育休を終えて1年以上ぶりに臨床の現場に復帰しました。
初期研修修了後すぐに産休育休を取得したため、臨床の現場に復帰することは非常に怖いといった気持ちが正直なところでした。教室の先生方が温かく迎えてくださり、大変ありがたく感じたことを覚えています。
いざ実臨床の現場に出てみると、わからない(忘れている)ことだらけ、満員電車でくたくた、最初の1か月は新しい生活に慣れることで精いっぱいでした。
実際に日々の訓練や治療に携わる中で、リハビリテーションのもつ力を実感すると同時にリハビリテーション医学の奥深さに圧倒されました。あらゆる科からさまざまな疾患の患者さんの依頼があり、それぞれの疾患や個人の生活状況を考慮して治療計画を立てなければなりません。それゆえリハビリテーション科医には幅広い知識と豊富な経験が要求されるのだと実感しました。
また、ママ女医として勤務する中で時には急な発熱やお迎えがありましたが、快くサポートしてくださった教室の先生方に感謝いたします。周囲に支えられながら勤務できているのだと日々痛感しております。
とにかく、医師としても母親としても続けられるようにすることが目標の一年間でした。今年度は大きな目標としては専門医取得に向けた勤務継続を、小さな目標としては日々の臨床に一つずつ確実に取り組んでいきます。

水谷Dr.jpg
水谷02.jpg
水谷2022

後期専攻医
藤井 俊
(京都府立医科大学卒)

2021年4月1日から9月30日の半年間、リハビリテーション科の専門医へ向けた研修の一環として、がくさい病院で研修させていただきました。わたしにとっては初めての回復期病棟での勤務であり、久々の主治医として入院患者さんを受け持つ日々でもありました。1か月から3か月、時にはそれ以上の期間をかけて入院患者さんを診るというのは初めての経験であり、このような治療方針でよかったのか、もっと高い目標を持てたのではないか、患者さんやその家族が納得していただけるリハビリテーション治療であったのか、患者さんはこの状態で退院して今後どういう生活を送るのだろうか、など迷うことも多々ありました。しかし、指導医である前田先生や先輩の櫻井先生、病棟のナースやセラピストなどのコメディカルの皆様に支えられ、ときにはご迷惑をかけながらも駆け抜けた半年でした。患者さんのリハビリテーション治療による回復の過程、多職種によるカンファレンス、患者さんの1か月以上の長期にわたる医学的管理などすべてが新鮮で、大変でしたが充実した研修であったと思います。
10月から再び大学で研修が始まり、がくさい病院での研修前にはイメージがなかった回復期病棟でのリハビリテーション診療を意識して、少しは患者さんのリハビリテーション治療の流れをイメージできるようになったかと思います。今後も回復期病棟で勤務する機会をいただければ、がくさい病院の研修での経験を活かし、さらによいリハビリテーション治療を提供できるよう研鑽を積みたいと思います。

藤井2.jpg
藤井1.jpg
藤井2022

後期専攻医
小山 瞳
(京都府立医科大学卒)

私は2020年4月に京都府立医科大学リハビリテーション科に入局しました。1年半大学の附属病院に勤務し、2021年10月から京都田辺記念病院勤務となりました。京都田辺記念病院では3階の病棟が60床、2階の病棟が60床あり、私は3階病棟で主に伊藤先生と坂田先生にご指導いただいています。
回復期リハビリテーション病棟ですので、患者さんの雰囲気も入院期間も急性期病院とはずいぶん異なっています。入院期間は数か月にわたることも多く、数か月単位で患者さんの経過を見させていただくことができます。大学から異動になる際に、大学から当院へ同じ時期に転院された患者さんがおられましたが、大学では移乗も歩行訓練も2〜3人がかりだったのが、転院してから3か月経って移乗は1人で、歩行は1人の介助で可能になり、ここまでできることが増えるのかと驚かされました。
回復期リハビリテーション病院では、1人の患者さんに看護師、療法士、栄養士、薬剤師、技師、医療ソーシャルワーカー、義肢装具士などさまざまな職種の方々がチームになって1人の患者さんをみていきますし、お互いの距離も近いです。回復期の業務には慣れていないことも多く、入院時の診察や退院後の生活に何が必要か、カンファレンス、必要なサービスの導入など知らない事がたくさんあり、書類や困ったことや分からないことを周りの他職種の方々から教えていただきました。
患者さん1人1人の抱える問題や背景は異なっているため、今の自分ではサポートできる幅がまだまだ狭いことも痛感しています。一方で、自分だけでなく他の視点も借りながら患者さんに相対することで、見えてくることもあり、とても勉強になります。まだまだ課題や反省点が山積みでありますが、今後もよろしくお願いします。

小山1.jpg
小山2.jpg
小山2022

後期専攻医
奥田草太
(京都府立医科大学卒)

2021年10月から、がくさい病院回復期リハビリテーション病棟での研修を行っております。初めての回復期リハビリテーション病棟での勤務であり、医師免許取得後ほとんどを大学病院で過ごしてきた私にとっては初めての大学以外での常勤でもあります。電子カルテも業務の流れも異なり、病棟を右往左往する毎日ですが、前田先生と櫻井先生をはじめ、スタッフの皆様にご指導やフォローをいただいております。
さて、回復期リハビリテーションでの医師の役割は、内科的な管理や合併症への対応といった全身管理を行いつつ、予後予測を立ててチームをまとめてゆくことにあります。しかし、全身管理もチームマネジメントもうまく行かないことが多く、あれを考えておくべきだった、あれを優先してやっておくべきだったと、常に反省と後悔が心の中を占拠しています。また、主治医としてのコミュニケーション能力にまだ課題があり、面談の際に予想外の質問・展開にどうお答えするか考えあぐねて「フリーズ」してしまったり、愚直に傾聴に徹しようとするあまりお伝えすべき内容を伝えきれなかったりして、指導医から補足やご指導をいただくことも多いです。主治医の自分がこうも未熟であるにも関わらず、看護師、療法士、薬剤師、放射線技師、栄養士、義肢装具士、医療ソーシャルワーカー、事務の皆様の力で、患者さんは笑顔で退院していかれます。もっと成長して患者さんやチームに貢献できるようにならなければと感じる毎日です。加えて、生活を再建してゆくという回復期リハビリテーション治療の性格上、これまで以上に患者さんの人生に深く関わっている感覚があります。家屋環境、経済的状況、家族関係、職業・趣味活動、生きがい、価値観に至るまで、前田先生の言葉をお借りすると「濃い」関わりが必要となります。時にその濃厚さに圧倒され、胸やけのような感覚も覚え、「生きるってこんなに大変なことだったんだなあ。」などと気が遠くなることもあります。それでも、前向きに訓練に取り組む患者さんや、目標に向かって力を尽くすスタッフの方々の姿を見て、放心している場合ではないと思い直す日々です。色々な感情が心の中を渦巻いておりますが、失敗から学びながら、「今日よりも明日」の精神で、自分にできることを着実に増やしていきたいです。

奥田1.jpg
奥田2.jpg
奥田2022

リハビリテーション科専門医を取得して

専門医
櫻井桃子
(京都府立医科大学卒)

2017年に京都府立医科大学リハビリテーション医学教室に入局させていただき、2021年11月に無事、リハビリテーション科専門医を取得することができました。これも全てご指導いただきました先生方のお力添えによるものかと存じます。本当にありがとうございました。これからリハビリテーション科専門医としての生活が始まると思うと、ちゃんと出来るのかしらという不安の方が強いのですが、精一杯努力していきたいと思います。
私は2015年に京都府立医科大学を卒業し、京都府立医科大学附属北部医療センター、京都府立医科大学附属病院での研修を終え、2017年に京都府立医科大学リハビリテーション医学教室に前期専攻医として迎えていただきました。教室が出来て初めての専攻医ということで、同期の根本先生と一緒に、医局の先生方や関係病院の先生方にたくさん目をかけていただきました。現在のようにCOVID-19が猛威をふるう前だったので、学会や研修会にもたくさん参加させていただきました。翌年の2018年は産休、育休をいただき、子育てに専念することが出来ました。2019年は京都府立医科大学附属病院で勤務させていただき、2020年から現在までがくさい病院で勤務させていただいています。
これまでたくさんの患者さんのリハビリテーション治療に関わらせていただき、急性期〜回復期〜生活期のリハビリテーション医学を学ぶことが出来ました。「活動を育む」というリハビリテーション医学の基本理念を知り、疾患や障害を診るだけではなくて、その人その人の生活を診られる医師になりたいと考え、リハビリテーション科専門医を志しました。たくさんの患者さんとの出会いがあり、それぞれで課題が異なり、色々と試行錯誤する毎日です。疾患や障害が同じ方でも背景が異なるために、生じる課題が違って、アプローチも変わってくる。その中で、こちらの持っているカードが不足し、そのたび、指導医の先生方や他のスタッフ(療法士さん、看護師さん、薬剤師さん、義肢装具士さん、MSWさんなどなど)から新たなカードを教えてもらい、その使い方を学ぶ。リハビリテーション医学では学ぶべき領域が多く、専門医試験に向けての勉強でも、多くの学びを得ましたが、これからも様々な分野の勉強を続けていく必要があるな、と感じる毎日です。さらに、この学びを専攻医として仲間入りしてくれる後輩たちにも伝えていけたらと思います。

櫻井1.jpg
櫻井2022

専門医
久保元則
(大阪医科大学卒)

私は現在、京都府立医科大学附属病院リハビリテーション科に勤務しております。2018年4月に専攻医として入局し、大学では約1年、回復期病棟に約3年(がくさい病院、京都近衛リハビリテーション病院)勤務し、2021年10月に専門医試験を受験しました。
入局した当初は専門医試験はまだまだ先にあるのだろうなと思って、目の前の仕事を一つ一つこなしていくことに精一杯でした。入局8か月後、回復期病棟に異動となり、回復期病棟のイメージもあまりつかないまま関連病院であるがくさい病院に勤務しました。前田先生と横関先生には書類の書き方から病棟での業務まで色々とご指導いただきました。回復期病棟のリハビリテーション治療では患者さんの内科的問題、補装具の選定、退院後の生活を見据えた準備(家
屋評価など)を、いろいろと考えることができ充実した研修を行うことができました。
2021年にはコロナウイルスが蔓延し、少なからず自分の研修にも影響を及ぼしました。コロナウイルス感染予防にお
ける患者家族の面会制限、ICでの人数制限です。患者家族は患者さんに会う機会が少なくなり、不安に思い、中には毎日患者さんの状態を教えてほしいと仰られるご家族もおられました。患者さんの日々の変化を追いながら丁寧に説明することで家族の不安は和らぎ、徐々に信頼関係を構築していくことを実感しました。臨床で迷う場面も多かったのですが、近衛リハビリテーション病院の藤井先生、児玉先生にご指導いただき日々成長することができました。コロナ禍で大変なこともたくさんありましたが、今後の診療の糧にしていこうと思います。
学会発表では嚥下、歩行支援ロボット、認知機能低下と栄養についてなど様々な分野で発表や論文執筆を行うことができ、指導してくださった教室の先生方に感謝しております。
専門医試験については勉強しながら、診療の中でも知識が活きることを実感しました。今まで分からなかったことが分かる楽しさもあり、試験前でも充実した日々を過ごすことができました。試験は2日間で、筆記と口頭試問が行われ落ち着いて取り組み、12月にリハビリテーション医学会から新専門医機構を経て無事リハビリテーション科専門医を取得することができました。
2022年1月に回復期病棟から大学病院に異動後、改めて自分の未熟さを痛感する日々ですが、今後も患者さんに笑顔になってもらえるようなリハビリテーション治療を心がけたいです。
たくさんの先生方に支えられ、専門医を取得できたことを改めて深く御礼申し上げます。

久保1.jpg
久保2022_02.jpg
久保2022

専門研修プログラム連携施設における研修指導の様子

(※ 所属などの情報は2022年01月現在のものです)

指導医
池田 巧(リハビリテーション科 部長)

​京都第一赤十字病院

京都第一赤十字病院は、DPCII群(高診療密度病院群)に選ばれ地域の救急医療や災害拠点病院としてあらゆる重症例に高度専門医療を提供しています。また、新型コロナウイルス感染症患者受入医療機関でもあり、中等症から重症例のリハビリテーション治療も実施しております。2021年1月から12月末までに疾患別リハビリテーション治療を行った新規患者数は、脳卒中その他脳疾患、脳外傷590例、脊髄損傷とその他脊椎疾患271例、リウマチを含む骨関節疾患564例、脳性麻痺を含む小児疾患57例、神経筋疾患59例、切断6例、呼吸・循環器疾患890例、その他(がん、廃用症候群、熱傷など)566例でした。当院は、2018年から始まった京都府立医科大学リハビリテーション科専門医研修プログラムにおける連携施設です。新専門医制度において専攻医の先生が、すべての領域の症例を経験することが可能です。現在、大学から専攻医の先生を週に1名派遣していただき、急性期リハビリテーション診療を行っていただいています。リハビリテーション診察および処方では、経験する機会の少ない症例を積極的に担当してもらい、専門医試験の出願時に問題にならないように配慮しています。急性期の症例は全身状態が不安定でさまざまなリスクを伴います。リハビリテーション治療に必要なリスク管理を行い、他科との連携だけでなく、多くの職種との協働が実践できるように指導しています。嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査、装具処方の検討や、関節内注射、そして多職種カンファレンスなど多岐にわたる診療にも携わって学んでいただくとともに、当院のリハビリテーション診療に貢献していただいています。幅広い視点を持って多くの症例から学んで立派なリハビリテーション科医になっていただきたいと思います。

第一日赤2.jpg
第一日赤1.jpg
第一日赤

京都田辺記念病院

指導医
伊藤倫之
(リハビリテーション科 部長)

2018年7月から医療法人石鎚会田辺記念病院に赴任して、今年は4年目でした。昨年から本格始動したリハビリテーション科の専門医プログラム2年目となります。
今年度は、石田和也先生が4月で和歌山に戻りましたので指導医1名で、根本玲先生が昨年10月から継続し、4月から新庄浩成先生と和歌山県立医科大学から坂田ゆき先生を専攻医として迎えました。10月からは、新庄先生にかわり小山瞳先生が来てくれて、指導を行いました。臨床面では、すでに立ち上げていた専攻医教育システムでそのまま実施していき、1月から同法人内の京都田辺中央病院の脳神経外科との合同カンファレンスを開始しました。あいにくコロナウイルスオミクロン株の流行の影響もあり、ほとんどがZoomによるカンファレンスでしたが、毎週水曜の朝に実施できました。その他、カンファレンス形式の病棟回診、チームごと朝回診を週2回や嚥下造影・内視鏡検査とその直後に言語聴覚士と行うVFカンファレンスで専攻医の患者診療やリハビリテーション治療の指導、助言の場としました。
研究面では、昨年度から始まっている三次元加速度計アクチグラフの臨床研究を発展させました。特に脳血管疾患の入院中の患者を中心に両手両足にアクチグラフ装着し、1か月ごとの活動量を測定しています。さらに大分車いすマラソンでも実際の選手の車いす駆動での活動量測定をしています。
教育面では、昨年同様、専門医試験の時のレポートを用いた症例発表勉強会を週1回行い、専攻医の先生に当院で診ている患者をまとめてもらい、提出レポートを書き始めてもらっています。
十分な指導ができたか疑問ですが、専門医を取得した先生が確実に逞しくなってきているのを感じながら指導をさせていただいております。来年度は、今度来られる隅谷政先生に引き継ぎますが、専攻医の先生が充実した研修ができるようにと願っております。

田辺2.jpg
田辺1.jpg
田辺記念

京都近衛リハビリテーション病院

指導医
藤井良憲
(リハビリテーション科 診療部長)

これまで当院に回復期リハビリテーション診療の研修に来られた専攻医の先生は、2019年7月1日~2020年9月30日の根本玲先生、2020年10月1日~2021年12月31日の久保元則先生の2名です。両先生は既に回復期病棟を経験されていたこともあり、入院時の評価や説明、そして毎月の定期カンファレンス等の流れについては把握されていましたので、業務面に関しては殆ど指導することはありませんでした。また臨床面でもリハビリテーション診察や診断は大学でしっかり教育されておりましたので、少し足らないと思われる点のみに指導が必要でした。一方で内科的な全身状態の管理では、知識や経験が不足しているのを感じました。回復期病棟に転院してくる患者には、様々な既往症や合併症がありますが、先ずそれらのコントロールが良好なのか不良なのかの判断に迷い、不良であった場合の治療法の選択肢も限定的で、更にその後の経過観察も不十分でした。また患者さんの状態の急な変化に対して、どのような処置や投薬をすればいいのか直ぐに判断できず、思考停止や軽いパニックに陥りかけている時もありました。恐らく今までこのような場面に直面した機会が少ないためと思います。当院も他院で指導されている先生方と同様に、患者の治療方針は基本的に専攻医自身に考えて貰う事を優先していますが、時間的に猶予がない場合は此方が治療をすすめた後にフィードバックしました。また患者や家族への説明では要点がまとまらず誤解されることもあり、その場での追加や修正が必要でした。しかし両先生共に症例を重ねる毎に成長し、数か月後には一人主治医で任せられるようになりました。更に専門医試験にも無事合格されたことで、今後はご自身の経験をいかして、ゆとりを持った後進の指導にあたっていただきたいと思います。

近衛リハビリテーション病院.jpg
近衛リハ室.jpg
近衛

がくさい病院

指導医
前田博士
(リハビリテーション科 部長)

2021年に指導した専攻医は、前年度から継続勤務中の櫻井桃子先生と4月から9月までの藤井俊先生、10月からの奥田草太先生の3名でした。
専攻医の主な業務は回復期リハビリテーション病棟での入院患者の治療です。他のどの時期よりも回復期ではチームアプローチが重要です。専攻医は、当院での勤務を開始した直後からチームリーダーとして情報の管理・統合を担ってもらいます。リハビリテーション診断により、問題点を抽出し治療計画をたて、リハビリテーション処方を作成し、情報共有しながら治療を進めます。カンファレンスで決定した治療方針や経過について患者家族に説明することも1か月程度は主として指導医が行いますが、その後は段階的に専攻医が主導で実施し、どの専攻医も2、3か月程度で単独で実施できるようになっています。
週間予定としては、カンファレンスとIC以外に、新入院患者の合同評価、週2回の装具診、があります。また、外来診療や検査、ボツリヌス療法などは随時実施しており、当科で実施している専門的検査としては嚥下造影検査、嚥下内視鏡検査、膀胱造影検査が挙げられます。さらに、週1回ずつ三上教授と沢田准教授から手技や臨床判断について指導を直接受けられる機会があり、当院の大きな特色の1つです。
櫻井先生は2021年10月の専門医試験を受け合格し、現在は専門医として活躍中です。藤井先生は半年間の研修を修了し、リハビリテーション科医師としての基本的な診療能力を身につけました。奥田先生は本原稿執筆時点では奮闘中で、単独で診療できるようになりつつあります。3名とも将来はリハビリテーション医学教室を担う大きな存在となるでしょう。

がくさい2.jpg
がくさい1.jpg
がくさい
bottom of page